オゾンとは
大自然のめぐみ「オゾン」
オゾン(OZONE)の語源はギリシア語の「臭う」(Ozein)という言葉で、自然界に存在する有臭無色の気体です。
大気中の酸素に対し紫外線や高電圧をかける事により生成されます。
オゾンは、地球に到達した紫外線や雷の放電の際などに作られて、地球上の自然環境にも存在します。地上から約30Km上空にある成層圏にはオゾン層と呼ばれる厚さが2~3mm、濃度が10 ~20ppmの層があって地球を囲んでバリヤーを形成しています。このバリアは、太陽から発する強い紫外線の約95%を吸収して、地上への紫外線の到達を妨げているのです。
もし、このオゾン層がなかったら、この地球上に動植物はおろか菌1個も生存できないと言われています。これは紫外線の中には殺菌線と呼ばれる強い殺菌力を持った波長の光が存在するからです。
地上では高山や海岸、森林の中に0.03~0.1ppm程度存在し、爽やかな空気を作り出し、自然の浄化作用となっています。
オゾンの効果は「消臭」「除菌」をはじめ数多くあり用途は無限ですが、高濃度のオゾンは人体に悪影響がある為きちんとした知識のもとに使用する事が必要です。
オゾンの反応原理
大気中の酸素に紫外線や高電圧が加わるとオゾンに変化する
オゾン分子は不安定で菌や臭いに接触すると酸素に戻る
オゾン分子は不安定で菌や臭いに接触すると酸素に戻ろうとし、その際に発生する酸化力で除菌消臭される
反応後は酸素に戻り残留性が無い
オゾンの特徴
- 強力な酸化力
- オゾンは塩素の約6倍の酸化力があり、フッ素に次いで酸化力の強い物質です。その酸化力により、菌を除菌し、臭いを分解します。
- 原料は空気
- オゾンは空気中の酸素を原料にするため、ランニングコストがかかりません。また、電源さえあればどこでも簡単に使用することが可能です。
- 残留性が無い
- オゾンは反応後、元の酸素に戻るため薬剤のような残留物がなく環境負荷がありません。また、残留による二次的な事故の心配もありません。
オゾン(03)ガスと他の除菌方法の比較
除菌方法 |
従来の問題点 |
オゾン |
薬剤薫蒸
(ホルマリン等) |
・加湿、薬剤加熱などの前処理が必要
・発生量の制御が難しい
・刺激性、毒性が強い
・壁、天井などに残留
・中和、残留物のふき取りが必要
・薬剤の厳重保管、管理が必要 |
・装置を稼働させれば直ちに除菌作業ができる
・必要なオゾン量の制御が可能
・特有の臭い有り(個人差はある)
・残留性がない
・低ランニングコスト
・薬剤の保管、管理が不要 |
薬剤清拭
(アルコール等) |
・手間がかかる
・時間がかかる
・ふき残す可能性がある
・薬剤の厳重保管、管理が必要 |
・スイッチを入れればオゾン生成は可能
・タイマーで装置の制御ができるので省力化が可能
・残留性がない
・装置の保管、移動が手軽 |
紫外線照射 |
・影の部分の除菌力はゼロ
・効果が線源からの距離の自乗で減少
・線源を直視すると目を痛める
・ランプ寿命が短い |
・オゾンガスでの除菌の場合、隅々まで浸透し、均一に除菌可能
・フィルターのみ交換有り(但し清掃可能) |
オゾン(03)水と他の除菌方法の比較
[分類] |
オゾン水 |
次亜塩素酸
ナトリウム水 |
強酸性水 |
弱アルカリ水 |
電解水 |
[名称] |
酸素系 |
塩素系 |
塩素系 |
塩素系 |
塩素系 |
オゾンの注意点
オゾンは、菌・ウィルスを除菌する効果があるため、人に対して使用する時も
詳しい知識を持ち、正しく使用する事が大切です。
【生活の中のオゾン環境】
濃度[ppm] |
状況 |
人体への影響 |
0.01~0.03
|
自然界の濃度
|
敏感な方がわずかに臭いを感じます。
|
0.03~0.06
|
日中の海岸・山での濃度
|
通常の方がわずかに臭いを感じます。
|
0.1
|
労働衛生的許容濃度 |
通常の方が不快と感じる臭い、咽喉の刺激があります。
|
0.2~0.5
|
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3~6時間曝露で視覚低下の恐れがあります。
|
0.8~1.7 |
|
上部気道の刺激症状の恐れがあります。 |
過去、オゾンによる死者や重大事故は1件も発生していませんのでご安心下さい。
現在様々な業種でオゾンが使用されている背景には、従来使用されてきた薬剤と比較した場合にオゾンの方がより効果が期待できなおかつ安全といえるからです。正確な機器とオゾンの正しい知識を持った専門家の指示に従うことで、安全でより効果的に利用できます。
空間・用途に応じた濃度コントロールが最も重要です
効果的でなおかつ、安全なオゾン濃度をコントロールするためには…
各箇所(容積)に応じた機種(オゾン発生量)選定
オゾン濃度は、容積により決定されます。容積に応じた機種選定をすることで、
必然と効果的でなおかつ安全を考慮したオゾン濃度で使用することが可能です。
オゾン濃度が低ければ … 安全 ◎ 効果 △
オゾン濃度が高ければ … 安全 △ 効果 ◎
適切なオゾン濃度では … 安全 ○ 効果 ○
オゾン濃度により
安全性も、効果面も大きく変化します。